- 谷川俊太郎「世間知ラズ」再読58
「だがぼくには分かる/自分が生み出したものの無意味に耐えるために/暴力の幻に頼ろうとする彼の気持ちが」
作者は、己の生の証人である
- 谷川俊太郎「世間知ラズ」再読51
「きれぎれな幻/いくつかの親しい顔の/旅先で見た川岸の草むらの/忘れかけている名画の」
「彼」の生きる世界では、イメージが断片的に浮かび上がるだけだ
- 谷川俊太郎「世間知ラズ」再読 39
「だがそれが夫婦喧嘩の悪口雑言よりも上等だという保証はないのだ/詩は何ひとつ約束しないから/それはただ垣間見させるだけだから/世界とぼくらとのあり得ない和解の幻を」
詩の言葉は、こうして中空の空しい言葉にとてもよく似てしまう
- 谷川俊太郎「世間知ラズ」再読 48
「だが言葉のほうは居心地が悪そうだ/それはぼくがその山のことを何も知らないから/そこで霧にまかれたこともなくそこで蛇に まれたこともない/ただ眺めているだけで」
山は、生の盛り上がりである
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