- 坂道の向こう Ⅸ 九、昌美の皆様への恩返し
だからこの信子が逝った事を知った時は、本当にがっかりしたものだった
- 坂道の向こうⅥ
「公一!あの時はおれが帰った次の朝だったんだ」 「ええっ!そうだったのか俊彦?」 「それもおれは疲れからぐっすり眠っていたんだが、突然誰かが、あなた!早く起きて!と言って肩の所をゆすっているんだ」 「ああ!そうだろうなあんな激しい揺れだもの、良くあの揺れで寝て居られたな?」 「それで、目が覚めたらあの大揺れが」と、 俊彦は、その時の妻の自分を思って起こしてくれた事を思いながら、その時の今までに味わった事が無いぐらいの揺れの地震の事を思いだしていた
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「俊彦ちゃん!それで、そのロケは何をやっているのか解らなかったの?」 信子は、俊彦と、昌美の弟の豊が、そのロケの様子を、昌美に話しているのを耳にして尋ねたのだろうが、それに、 「はい!何だか、見ている僕らには、何か解らずじまいに、終わっていた感じでした
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