- 平蔵の土竜(もぐら)叩き(12)
「〔 舟形 〕のは、〔 蓑火 〕のお頭から、〔 初鹿野 ( はじかの )〕のが独り立ちしたから、軍者として助(す)けるように頼まれたので、いつしょにこないか---と」
「それは違うな
- 小料理〔蓮の葉〕のお蓮
「 銕 (てつ)さま」
部屋の手前で尻をつかんで足をとめ、声をひそめ、耳もとで
「〔橘屋〕のことは、内緒にしといてくださいな」
「わかった」
どういう意味なのか、尻をさらにきつくつまんだ
- 川すじの元締衆(3)
「〔 音羽 (おとわ)〕のお 多美 (たみ37歳)さまが、こんなことをおっしゃいました
- 〔愛宕下(あたごした)〕の伸蔵・元締(2)
「〔 愛宕下 〕の元締をお引きあわせくださった〔 音羽 〕の元締のお言葉だから、案は、練ってはみますが---」
答えた 平蔵 の頭にひらめいたのは、両国広小路の〔 耳より 〕の 紋次 (もんじ30歳)の存在であった
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